DSTEP (Data Scientist Training/Education Program)
近年、次世代シーケンサーに代表されるハイスループット機器解析の発達により、急速に集積する医療ゲノム関連バイオビッグデータを活用した高度データ解析を必要とする課題に即応できる人材は、アカデミアのみならず、関連産業分野の企業でも不足しており、課題解決能力の備わる高度な人材の発掘・育成や企業研究者の再教育を促進する仕組みを創出することは喫緊の課題となっています。
DSTEP(http://dstep.cbms.k.u-tokyo.ac.jp/)では、バイオに関連したさまざまな企業からなるコンソーシアムや、学内運営機関として設置された社会連携講座との連携により、データサイエンスのより実践的な問題設定について、その問題解決に即戦力となる人材の育成を目的としています。
専攻連携教員が所属する学外研究組織や、コンソーシアムに参加する関連企業との連携により、実践的なOn the Job Trainingを経験することが期待されます。
プログラム修了要件
《必修科目》
必所属専攻の定める博士後期課程修了に必要な科目に加え、データサイエンス実践演習Ⅰ〜Ⅲ(A群のみ)及びバイオデータプログラミング演習Ⅰを共通の必修科目として履修しなければならない。
《選択必修科目》
DSTEP-B (生物背景):
大学院便覧に定められたDSTEP選択必修科目(B)より別途4単位履修する。ただし、事前に運営委員会に届け出ることにより、本学の情報系科目を振替えることができる。
DSTEP-I (情報背景):
バイオデータプログラミング演習Ⅱを必修とし、大学院便覧に定められた基礎医科学・生物系科目群から2科目を選択必修科目として履修する。
科目の内容・特色
1.「バイオ機能情報解析学」
大規模生命データを駆使した最先端研究をわかりやすく俯瞰する。
2.「創薬データサイエンス概論」
大規模計測機器の測定原理を理解する。次世代シークエンサー解析の方法論等、初等的な基礎について解説する。
3.「バイオデータプログラミング演習I」
本演習では学生が過去に躓いたポイントを調べ、必要な基礎知識を大量に補った独自のオンラインプログラミング学習教材を作成した。生物学・医科学のプログラミングに必要な概念をゼロから広く浅く学び、研究に必要な高度なプログラミングを将来的に独学できるような「基礎体力」を養う。
4.「バイオデータプログラミング演習II」
先駆的に開発され試用が開始されている情報解析ツール群を用い、その利用法について、実データを用いた実践的演習形式で習熟する。 生物学的に解析意義をもった実データに対して、データの抽出と解釈、それぞれの目的に即した考慮条件およびパラメーター等の解析条件を最適化する手法を習得する。
5.「創薬データサイエンス演習」
企業へのインターンシップ、若手研究会への参加、医療機関における医療現場のデータ処理を実地に体験する演習を実施する。
6. 「ドラッグデザイン特論」
バイオインフォマティクスとケモインフォマティクスによる創薬研究の目的・原理・現状を理解することを目標とする。タンパク質立体構造に基づく医薬品探索、化合物情報に基づく医薬品探索の基礎を学び、蓄積・共有されつつある遺伝情報・構造生物学の膨大なデータを活用する機械学習による生体分子設計を紹介する。
7.「データサイエンス実践演習Ⅰ〜Ⅲ」
Ⅰ〜Ⅲは、履修開始一年次から三年次までの各年度の必修科目として設定され、提案課題の採用のための評価(I)や進捗度合い(II, III)を筆記試験、口頭試問としてそれぞれ合否判定する(Qualifying Examination(QE)として機能する)。
科目等履修制度
コア科目[1-5]については新領域創成科学研究科の大学院科目等履修制度による学外履修が可能。
プログラムアドバイザー制度
プログラム履修生の学位論文研究指導は、指導教員による直接指導および、各専攻におけるアドバイザー制度などの学位取得支援制度を併用する。また、その他に1名以上のプログラムアドバイザーをプログラム運営委員会が指定する。
<連絡先>
〒277-8561
千葉県柏市柏の葉5-1-5
東京大学柏キャンパス 情報生命科学実験棟
電話番号:080-3565-9297
メール:dstepedu.k.u-tokyo.ac.jp(※SPAM 防止のため、@は画像表示になっていますのでご注意下さい。)