2007年度第3回学融合セミナー
- 講義:
- 2007年9月26日
- 場所:
MEG装置のためのヘリウム循環装置の開発
武田 常広 教授
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本セミナーでは、まず私が開発してきた眼の3大機能(焦点調節、眼球運動、瞳孔反応)を同時計測出来る、3次元オプトメータを紹介する。次に、眼と密接な関係がある脳に関して、代表的な脳計測装置を紹介した後、私たちが利用している、脳活動から生じる地磁気の1億分の1以下の微弱な磁場を計測するMEG(脳滋計)を紹介し、どのような計測が可能かを紹介する。最後に、MEGで使用されているSQUIDを超伝導にするための液体ヘリウムを完全循環して、1度充填すれば1年間メンテナンスフリーにすることを可能とした、ヘリウム循環装置についてお話しする。
「受精前後における遺伝子発現理プログラミングとクローン動物」
青木 不学 准教授
生命の誕生は、精子と卵が接合し受精卵を生じることから始まる。その際、分化した細胞である卵から全能性のある胚へと変化するが、この過程で遺伝子発現のリプログラミングが起こると考えられている。本講演ではこのメカニズムに関する研究成果を発表する。それに関連してクローン動物の話題も盛り込む予定である。
医療創薬のためのマルチスケール・マルチフィジックス心臓シミュレータの開発
久田 俊明 教授
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本研究は計算機内にミクロからマクロまでの多階層の生理現象を統合した仮想のヒト心臓を再現することにより、計算科学と融合した新たな医学を創出し、医療や創薬に役立てることを目的とする。既に細胞イオンチャンネルや収縮タンパクの数理モデルから出発し有限要素法でモデル化された心室の収縮、血液の拍出に至る心臓モデルを完成しつつある。また有限要素法に基づく心筋細胞も開発され、今後これを組み込むことで世界でも前例の無いシームレスなマルチスケール・マルチフィジックス心臓シミュレータを完成する。我が国の次期スパコン(京速コンピュータ)のアプリケーションとして計算科学・計算機科学への貢献も期待されている。