2007年度第7回学融合セミナー
- 講義:
- 2008年1月23日 17:30~19:00
- 場所:
- 新領域基盤棟大講義室(2C0)
情報理論をランダムスピン系で書く
岡田 真人 教授
統計力学のボルツマン分布は,ベイズ統計と数学的に等価な形をしている。 この等価性を用いると,ベイズ統計に基づいて記述されている情報理論,通信理論,学習理論や計算機科学の制約充足問題などの多くの問題をスピン系で記述することが可能である.この講演では,記憶のモデルとして導入されたスピンモデルであるHopfieldモデルを皮切りに,情報理論の誤り訂正符号がどのようにスピン系で記述できるかを紹介し,統計力学が学融合の切り口の一つになりえることを提案する。
メタゲノム解析から見えてきたヒト腸内細菌叢の全体像
服部 正平 教授
メタゲノム解析は環境中の微生物集団(叢)を丸ごとゲノム解析する手法を言う。これにより、大部分を占める難培養性細菌種の遺伝子情報の獲得と共に、環境との相互作用を含めた叢全体のもつ生態機能の解明が可能となった。本セミナーでは、ヒトの健康と病気に密接に関係する約1000菌種からなる腸内細菌叢のメタゲノム解析から得られた知見を紹介する。
マイクロチャンネルにおける微小液滴生成法およびその応用に関する研究
鳥居 徹 教授
マイクロチャンネルにおける微小液滴生成法を開発し、それを利用して様々な液滴・高分子微粒子生成法へ応用を行っている。これまで、10mmを越えるサイズで単分散微粒子生成法は存在しなかったが、本手法により粒径も自在に変化させることが出来る。また、多相エマルジョン中に含まれる液滴サイズ、個数を精密制御することも可能である。同手法はこれまで出来なかった製造技術を提供することができるため、企業から注目されている。