過去の開催一覧|

2011年度第6回学融合セミナー

講義:
2011年11月16日 16:30~18:00
場所:
新領域基盤棟大講義室(2C0)

大気環境計測の進展

戸野倉 賢一 教授

近年、質量分析技術やレーザー分光技術の向上により、大気環境計測技術の 技術発展が著しい。  我々の研究グループで開発した新規質量分析装置、レーザー分光装置による 大気環境計測の研究について紹介する。

市川 昌和 特任教授

超微細・超高密度のナノドットを利用したナノテクノロジー

市川 昌和 特任教授

 シリコン基板上に、大きさが10ナノメーター以下で10x10ナノメーター平方に 1つのドットが成長するナノドット作製法を開発しました。これらのナノドットの 特性を利用することにより、光りにくいシリコンやゲルマニウムを光らせたり、 シリコン基板上に格子定数が大幅に異なる良質の半導体薄膜を成長することが 可能となりました。  本講演では、本研究開発のねらいとナノドットの作成法、およびその 応用結果について説明します。

伊藤 耕一 准教授

遺伝暗号解読のしくみに残された謎とtRNA擬態タンパク質

伊藤 耕一 准教授

 遺伝情報をタンパク質分子に変換する中心装置であるリボソームの 全原子構造が解明され、生命が太古の昔から進化の過程で獲得してきた 普遍的な遺伝暗号の仕組みが視覚的に理解できるようになってきた。 タンパク質のアミノ酸配列と遺伝暗号の仲立ちを行うのはtRNAと呼ばれる 一群の核酸分子群であるが、遺伝情報解読の終止部位を意味する遺伝暗号 (終止コドン)には例外的にtRNAのような核酸分子ではなく、tRNAの機能と 構造を模倣するタンパク質因子が用いられている。タンパク質によるtRNA擬態性は、 終止機能のみならずリボソームの高次機構の理解の鍵となる例が近年数々 見いだされている。tRNAの形を共通項に異なる生体高分子種を巧みに使い分け 実現されるタンパク質合成のしくみについて紹介する。