過去の開催一覧|

2012年度第8回学融合セミナー

講義:
2013年1月23日 16:30~18:00
場所:
新領域基盤棟大講義室(2C0)
関根 康人 講師

宇宙に生命を探す-氷衛星、タイタン、そして太陽系外惑星-

関根 康人 講師

 地球とはどのような惑星だろうか。大気があり海があり、そこに生命が存在することが地球の最大の特徴である。では、なぜ地球は生命に満ち溢れる天体になったのだろうか。 宇宙には地球のように生命を育む天体は存在するのであろうか。このような問いに答える ことは、地球惑星科学のみならず自然科学全般における21世紀最大の目標であろう。  これまで40年にわたる惑星探査の結果、太陽系には生命存在可能な天体が複数存在することがわかってきた。氷でできた地殻の下に広大な液体の海と海底火山を持つ氷衛星のエウロパやエンセラダス。土星最大の衛星タイタンには、窒素を主成分とする厚い脱ガス大 気が存在し、その地表には液体メタンの湖と蒸発や降雨を伴う気象現象が起きていることが明らかになった。さらに現在、太陽系の外にも生命発見の可能性は急速に広がっている。 望遠鏡技術の発展により、これまで2000を超える太陽系外の惑星候補天体が発見されてお り、近い将来には地球程度の質量の惑星の宇宙における分布や存在確率、海や大気組成の 観測、さらには生命存在の兆候(バイオマーカー)も発見されるかもしれない。本講演では、そのような宇宙に生命を探す最新の試みの一端を紹介したい。

長尾 眞文 特任教授

Can Japan be a good science teacher for Africa? (日本の理数科教育経験はアフリカの役に立つか?)

長尾 眞文 特任教授

 When Nelson Mandela became President of the first democratically elected government of South Africa in 1994, one of his first priority acts was to strengthen science education especially for the country's black population who had been denied 'equal' opportunity to study science under the apartheid regime. He asked the Japanese government to provide technical assistance for improving secondary science teaching. This presentation gives an account of how the Japanese team of science educators went about this task, developing along the way an 'experience-sharing' model of technical cooperation. This model is characterized by a symmetric relationship between the technology supplier and recipient, centrality of the learning function and importance of managing the cultural factors. The presenter served as the head of the Japanese technical cooperation team from 1999 to 2006.

和田 猛 准教授

核酸医薬実用化への挑戦

和田 猛 准教授

 近年、医学のめざましい進歩により、再生医療や遺伝子治療などの実用化にも道が開か れつつある。医薬品の開発に目を向けると、現在注目を集めている抗体医薬の次世代の医 薬として、核酸医薬に大きな期待が寄せられている。核酸医薬の実用化において解決すべ き課題は、核酸誘導体の生体内における安定性の向上とデリバリーである。本講演では、 これらの問題を克服するための最新の化学的アプローチを紹介する。