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2018年度第8回学融合セミナー

講義:
2019年1月30日 16:50~18:35
場所:
新領域基盤棟大講義室(2C0)
尾山 大明 准教授

分析科学と情報科学の融合が生み出す次世代プロテオミクス研究

尾山 大明 准教授

近年、超低流速液体クロマトグラフィーと高精度質量分析計を組み合わせたショットガンプロテオーム分析技術の登場により、細胞内に存在する微量の疾患関連タンパク質群を包括的に同定・定量することが可能になった。本セミナーでは、上皮成長因子(EGF)受容体が関与するがん化シグナルを中心に我々が進めてきた研究を取り上げ、細胞内情報伝達ダイナミクスを情報科学的に解析するための方法論を紹介すると共に、システムレベルでの疾患制御機構の解明に向けたプロテオミクス研究の新たな可能性を展望したい。

田中 俊徳 准教授

環境政策・サステイナビリティ・ガバナンス

田中 俊徳 准教授

元来、政府の役割は「治安、外交、司法」と非常に限られたものだった。絶対王政や工業化、二度の大戦、民主主義、福祉国家といった背景を持ちながら、政府の規模や役割は拡大し続けた。一方、環境問題や高齢社会、グローバル化の進展など、新たな現象を背景に、20世紀末から「政府の役割」は急速に変化している。これから政府の役割がどのように変化していくか、環境政策やサステイナビリティといった観点から、21世紀のガバナンスを一緒に考えたい。

木村 剛 教授

物質中の対称性を破って電気と磁気を繋ぐ

木村 剛 教授

「磁場と磁化」,「電場と電気分極」,「応力と歪み」の関係に履歴現象を生じる物質は,強磁性体,強誘電体,強弾性体と各々呼ばれ,その履歴特性によって物性の外場応答が不揮発性を示すことから低電力消費の情報保持が実現でき,機能性材料として電子デバイスなどに広く利用されています。単一の物質中で,複数のこれらの強的な性質を持つ物質は「マルチフェロイクス」と名付けられ,近年,その研究は急速に進展してきました。例えば,磁性遷移金属イオンを含む様々な化合物において磁気秩序が誘起する強誘電性,またそれに起因する電気磁気効果や方向二色性などといった特異物性が続々と報告されています。本セミナーでは,マルチフェロイクスおよび電気磁気効果に関連する物性・物質開拓に関する近年の進展および最近の我々のグループによる取り組みについて紹介します。