土原 一哉
(つちはら かつや/客員教授/生命科学研究系)
先端生命科学専攻/がん先端生命科学分野/がんゲノム、トランスレーショナルリサーチ
略歴
1993年3月 金沢大学医学部卒業
2000年3月 東京医科歯科大学医学系研究科博士課程修了(博士[医学])
2000年4月 トロント大学オンタリオがん研究所 博士研究員
2005年4月 国立がんセンター東病院臨床開発センター 微小環境標的療法室長
2013年4月 国立がん研究センター早期・探索臨床研究センター トランスレーショナルリサーチ分野長
2016年4月 国立がん研究センター先端医療開発センター ゲノムトランスレーショナルリサーチ分野長
2018年4月 国立がん研究センター先端医療開発センター トランスレーショナルインフォマティクス分野長
教育活動
大学院:腫瘍生命科学、基礎生命科学・分子生物学、先端生命科学研究論、先端生命科学演習、先端生命科学総合演習、先端生命科学特別演習、先端生命特別研究
研究活動
がんの治療開発を加速する多層オミクスデータの統合(2013- ):
がんの治療開発を進めるためには、臨床試験などで得られる質の担保された臨床情報に加えて、治療法のメカニズムを明らかにする患者検体や動物・細胞モデル試料を用いたゲノム、トランスクリプトームなどの多層オミクス解析のデータが欠かせない。これらの解析技術から産生されるデータ量は日に日に多くなっており、これらを統合して新知識を導き出すためには、既存の医学・生物学の知識だけではなく、どのようにデータを整理するのか、データからどのように情報を抽出するのかといった情報科学的な知識が不可欠である。効率の良いデータ処理のパイプラインの設計、データを見やすくまとめたデータベースの構築、状況に応じて情報抽出方法を最適化する技術の開発を進め、臨床多層オミクスデータを最大限活用し、がん克服に向けた新たな発見を目指している。
文献
1. Suzuki A, Onodera K, Matsui K, Seki M, Esumi H, Soga T, Sugano S, Kohno T, Suzuki Y, Tsuchihara K. Characterization of cancer omics and drug perturbations in panels of lung cancer cells.Massive transcriptional start site analysis of human genes in hypoxia cells. Sci Rep. 2019;9:19529.
2. Mimaki S, Watanabe M, Kinoshita M, Yamashita R, Haeno H, Takemura S, Tanaka S, Marubashi S, Totsuka Y, Shibata T, Nakagama H, Ochiai A, Nakamori S, Kubo S, Tsuchihara K. Multifocal origin of occupational cholangiocarcinoma revealed by comparison of multilesion mutational profiles. Carcinogenesis. 2019 Jun 20. pii: bgz120. doi: 10.1093/carcin/bgz120. [Epub ahead of print]
3. Ikemura S, Yasuda H, Matsumoto S, Kamada M, Hamamoto J, Masuzawa K, Kobayashi K, Manabe T, Arai D, Nakachi I, Kawada I, Ishioka K, Nakamura M, Namkoong H, Naoki K, Ono F, Araki M, Kanada R, Ma B, Hayashi Y, Mimaki S, Yoh K, Kobayashi SS, Kohno T, Okuno Y, Goto K, Tsuchihara K, Soejima K. Molecular dynamics simulation-guided drug sensitivity prediction for lung cancer with rare EGFR mutations. Proc Natl Acad Sci U S A. 2019 May 14;116(20):10025-10030.
その他
日本癌学会、評議員
日本臨床腫瘍学会、会員
日本分子生物学会、会員
Member, AmericanAssociation for Cancer Research (AACR)
将来計画
大規模シーケンスなど次世代技術の応用により、がん生物学的特性を明らかにし、最適化医療の実用化を目指します。
教員からのメッセージ
がん克服には多様な科学的バックグラウンドをもった研究者を結集する必要があります。若い皆さんの熱意を歓迎します。
ホームページのURL
https://www.ncc.go.jp/jp/epoc/division/translational_informatics/kashiwa/members/010/index.html