教員紹介

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小谷 潔

(こたに きよし/教授/環境学研究系)

人間環境学専攻/生体数理工学分野/非線形動力学,統計物理学,生体信号処理,ヒューマンインタフェース

略歴

2003年 3月 東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻博士課程修了(博士(工学))
2003年 4月 東京大学大学院情報理工学系研究科特任 助手
2006年11月 東京大学大学院新領域創成科学研究科 講師
2011年 9月 東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授
2014年 4月 東京大学大学院工学系研究科 准教授
2014年 8月 東京大学先端科学技術研究センター 准教授
2023年 4月より現職

教育活動

学部: 信号処理工学,生体・生命概論
大学院:生体信号計測・解析論

研究活動

近年の生物に関する計測・解析技術の進歩に伴い,生物は私たちの想像を超える精巧さで様々な機能を実現していることが明らかになりつつあります.私たちは生体計測技術と数理解析理論(非線形動力学・統計物理学など)を融合して複雑な生命現象の動作原理を明らかにする研究,および得られた知見を診断技術・福祉機器開発などに広く応用する研究を行っています.
具体的には,生命現象に普遍的にみられる非線形性・時間遅れ・ゆらぎ・複雑ネットワークを解析的に扱うための理論研究,脳活動計測実験と数理モデルによる記憶・認知機能の解明,バーチャルリアリティを活用し脳活動から使用者意図を高速に読み取るシステム開発などを行っております.

例えば以下のような研究に取り組んでいます.
・生命現象の動作原理を理解するための力学系理論の構築
・遺伝子制御システムにおける時間遅れ相互作用の解析
・脳神経系数理モデルと脳活動計測による脳内情報処理機構の解明
・近赤外光トポグラフィを用いた脳血流評価法の最適化
・生活習慣病予防に向けた在宅用小型超音波検査ロボットの開発
・自律神経による循環器調節機構の解明と生活支援応用
・拡張現実感技術を用いた新しいBrain-Machine Interfaceの開発

文献

1. Nishi H*, Mizuno S, Fujino K, Loe, I. A, Wang Y, Ishide T, Jimbo Y, Nangaku M, and Kotani K*: Motion-capture technique-based interface screen displaying real-time probe position and angle in kidney ultrasonography, Clinical and Experimental Nephrology 26, 735-740, 2022 *Equal contribution
2. K. Kotani, Y. Ogawa, S. Shirasaka, A. Akao, Y. Jimbo, and H. Nakao: Nonlinear phase-amplitude reduction of delay-induced oscillations Physical Review Research 2, 033106, 2020
3. K. Kotani, I. Yamaguchi, L. Yoshida, Y. Jimbo, and G. Bard Ermentrout, Population dynamics of the modified theta model: macroscopic phase reduction and bifurcation analysis link microscopic neuronal interactions to macroscopic gamma oscillation, Journal of the Royal Society of Interface 11, 20140058, 2014
4. K. Kotani, I. Yamaguchi, Y. Ogawa, Y. Jimbo, H. Nakao, and G. Bard Ermentrout, Adjoint Method Provides Phase Response Functions for Delay-Induced Oscillations, Physical Review Letters 109, 044101, 2012
5. K. Kotani, K. Takamasu, Y. Jimbo, and Y. Yamamoto. Postural-induced phase shift of respiratory sinus arrhythmia and blood pressure variations - insight from respiratory-phase domain analysis. American Journal of Physiology, Heart and Circulatory Physiology, 294: H1481-H1489, 2008.
6. K. Kotani, Z. R. Struzik, K. Takamasu, H. E. Stanley, and Y. Yamamoto : Model for complex heart rate dynamics in health and diseases, Physical Review E, 72, pp.041904-1-8, 2005
7. 小谷潔: 「極限」を使いこなす: 微積分・微分方程式・確率統計 東京大学出版会 2017

その他

電気学会,生体医工学会,精密工学会の会員

将来計画

生命現象の理解に根差した革新的なインタフェースや支援の構築に向けて,基礎と応用の両面から取り組んでいます.

教員からのメッセージ

何かを探求したり新しく理解することは本質的に楽しいことだと思っています.研究に真剣に向き合うことを心がけつつ,さらにクールに,時として遊び心も交えながら一緒にユニークな研究を展開していきましょう.

ホームページのURL

https://neuron.t.u-tokyo.ac.jp/mbb/