米谷 玲皇
(こめたに れお/准教授/環境学研究系)
人間環境学専攻/人間環境情報学分野/ナノ・マイクロ加工,ナノメカニクス,センシングデバイス・システム
略歴
2003年3月姫路工業大学 理学部 物質科学科 卒業
2005年3月姫路工業大学大学院 理学研究科物質科学専攻 博士前期課程 修了
2007年9月兵庫県立大学大学院 物質理学研究科 物質科学専攻 博士後期課程 修了(博士(理学))
2007年10月東京大学大学院 工学系研究科 産業機械工学専攻(現 機械工学専攻)助教
2012年4月東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻 講師
2017年5月より現職
教育活動
大学院工学系研究科:設計・生産フィールドワーク,ナノマイクロ加工
工学部機械工学科:初年次ゼミナール理科,計測の原理と応用,機械工学総合演習第一, 創造設計演習
教養学部:情報
研究活動
人の生活や社会,産業を支える新しいセンシング技術の創出を狙い、NEMS(Nanoelectromechanical systems)素子等のナノ構造やナノメカニカル構造体を利用したセンシングデバイス・システムに関する研究を行っている。ナノメカニカル構造体は、ガス分子や光,熱,電磁気的作用など様々な微小量物質,微小物理量(センシング対象)に対し敏感にその共振特性を変化させるため、その変化量を検出,計測することにより、多様なセンシングデバイス・システムへの応用が期待される。(図1)
現在、荷電粒子ビーム技術(集束イオンビーム技術,電子ビーム技術)をベースにその実現のキーとなるナノ構造体やナノメカニカル構造体の作製技術に関する研究を行っている。また、ナノ構造体やナノ材料の物性や機能性,ナノメカニカル構造体の共振制御に関する研究を行い、センシングデバイスへの機能化を進めている。特に、ナノメカニカル構造体の“高感度性”とフォトニック構造の”光制御性”を複合的に活用し、光基礎物性のセンシングに関する研究を行い、生体ガスを利用した医療診断技術や環境化学物質の分析技術, 光波長安定化技術等の光通信技術の高度化に向けた研究を推進している。(図2)
図1 微小量物質・微小物理量(ガス分子・光・熱等)のセンシングシステム・デバイス
図2 荷電粒子ビーム技術のナノ構造・ナノメカニカル構造作製への応用:
集束イオンビーム3次元ナノ構造造形技術と共振デバイス,センシングデバイス作製への応用
文献
1)R. Kometani, S. Ishihara: “Nanoelectromechanical device fabrications by 3-D nanotechnology using focused-ion beams”, Sci. Technol. Adv. Mater., 10, 034501-1-7 (2009).
2) R. Kometani, S. Nishi, S. Warisawa , S. Ishihara: “Dynamic Characteristics Control of DLC Nano-Resonator Fabricated by Focused-Ion-Beam Chemical Vapor Deposition”, Journal of Vacuum Science & Technology B, 29, pp. 06FE03-1-4 (2011).
3) 米谷 玲皇: "グラフェンメカニカル構造の機能化", 炭素, 275, pp. 191-198 (2016).
その他
応用物理学会,精密工学会,日本機械学会,各会員。
将来計画
生活や安全,産業や医療の発展に貢献する高度計測技術の創出,その簡易化,経済化に向け、これまで行えなかったことを可能にする革新的センシングデバイス・システムの研究を進めていきたいと考えています。
教員からのメッセージ
「おもしろい!」と思う心を大切に、人の生活・社会を豊かにする新しい技術を生み出したいと思っています。