青木 翔平
(あおき しょうへい/講師/基盤科学研究系)
複雑理工学専攻/アストロバイオロジーモジュール/惑星大気・惑星探査
略歴
2011年4月 - 2014年3月 日本学術振興会 特別研究員 DC1 (東北大学) 2014年4月 - 2014年11月 東北大学 産学官連携研究員 2014年11月 - 2016年11月 Istituto di Astrofisica e Planetologia Spaziali, Istituto Nazionale di Astrofisica (イタリア宇宙科学研究所) Research Assistant 2016年11月 - 2019年10月 Belgian Institute for Space Aeronomy (ベルギー王立宇宙科学研究所) Scientific collaborator under employment contract 2019年10月 - 2021年3月 Université de Liège (リエージュ大学) FNRS F.R.S. (ベルギー国立科学研究基金) Postdoctoral Researcher 2021年4月 - 2022年3月 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 太陽系科学研究系 プロジェクト研究員 2022年4月 - 現在 東京大学 大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻 講師 (令和3年度東京大学卓越研究員)
研究活動
主な参加プロジェクト 2021~2022: 国際次期火星探査ミッションMars Ice Mapper mission Measurements-Definition-Team 2018~: JAXA MMX火星衛星探査計画 赤外分光計MIRS Co-investigator 2018~: JAXA MMX火星衛星探査計画 火星サブサイエンスチームメンバー 2015~: 欧州火星探査機ExoMars Trace Gas Orbiter NOMAD分光計 Co-investigator 2010~: 欧州火星探査機Mars Express フーリエ分光計PFS Co-investigator 2020: IRTF望遠鏡 火星観測 Principle-investigator 2019: IRTF望遠鏡 金星観測 Principle-investigator 2018: ALMA望遠鏡 火星観測 Principle-investigator 2016, 2017, 2018: SOFIA望遠鏡 火星観測 Principle-investigator 2012, 2014: Subaru望遠鏡 火星観測 Principle-investigator 2015~2018: EU Horizon2020プロジェクト“Understanding Planet Mars With Advanced Remote-sensing Datasets and Synergistic Studies (UPWARDS)” 2014~2016: EU FP7 プロジェクト“Collaborative Rover and Interactive Virtual Environments (CROSS-DRIVE)” 2012~2015: ESA プロジェクト“Synergetic SWIR and IR retrievals of near-surface concentrations of CH4 and CO for Eartha and Planetary atmospheres (SIROCCO)”
文献
https://researchmap.jp/shoheia/published_papers
教員からのメッセージ
「生命が存在可能な惑星環境はどのように育まれるのか?」私の研究の目的は、そのような疑問に答えることです。 生命あふれる惑星で一番身近な私たちの住む地球は、そういった観点で研究が盛んに行われてきました。 一方で、近年急速な発展を遂げる天文学分野では、私たちの太陽系の外に「第二の地球を探す」観測研究が盛んになされていて、第二の地球候補が続々と見つかっています。 これからの惑星科学・天文学分野では、こうした多くの地球型惑星を包括的に網羅し、惑星大気システムを体系的に理解することが求められています。 ただし、系外惑星の大気は観測がまだ難しく、ほとんど情報を得られていません。 そこで、我々の太陽系に存在する地球型惑星である、金星と火星を詳しく調べ、地球との比較からその惑星環境や大気進化を理解することが大切になります。 金星も火星も、かつては現在の地球大気のように温暖湿潤な気候で、大量の液体の水が地表面に存在した時代がある可能性があると考えられています。 しかし、現在の金星は分厚い二酸化炭素大気に覆われた灼熱気候であり、一方で火星は薄い二酸化炭素大気に覆われた寒冷乾燥気候です。 かつて存在した水はどこへ失われたのか?このような疑問を解き明かすことが、近年の金星・火星探査ミッションの中心的な科学目標です。 私はこれまで、そのような目的で打ち上がった欧州の火星探査機Mars-ExpressやExoMars/Trace-Gas-Orbiter、 また、Subaru・SOFIA・ALMA・IRTFなどの地上大型望遠鏡による観測データを用いて、火星大気の研究をしてきました。 最近の興味は、「火星や金星にかつて存在した水はどこへ行ったのか」という問題で、そのために現在の火星における水の循環を把握すべく、 日々火星から送られてくる最新の探査機データの解析をNASAやESAの国際チームと共に解析を行ったり、望遠鏡での観測を続けています。 惑星科学はチームで進める機会が多く、国際協力で進めることが魅力の一つです。立ち上がったばかりの新しい研究室ですが、自主性とやる気溢れる皆さんの参加を歓迎します。