木村 剛
(きむら つよし/教授/基盤科学研究系)
物質系専攻/物性・光科学講座/物性物理学(実験)
略歴
1991年3月 東京大学工学部合成化学科卒業
1996年3月 東京大学大学院工学系研究科超伝導工学専攻博士課程修了(博士(工学))
1996年4月 アトムテクノロジー研究体 博士研究員
2000年4月 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻講師
2003年3月 米国ロスアラモス国立研究所 Limited term staff member
2005年9月 ルーセントテクノロジ-ズ・ベル研究所
(2006年12月よりアルカテル-ルーセントに社名変更)Member of technical staff
2007年4月 大阪大学大学院基礎工学研究科教授
2017年4月 現職
教育活動
大学院:物質科学概論V
工学部物理工学科:物理工学輪講第一
大阪大学ナノ高度学際教育研究訓練プログラム:ナノエレクトロニクス・ナノ材料学
研究活動
磁性と誘電性の結合に関する研究:
マンガン酸化物磁性体において磁気秩序に伴い強誘電性が発現し、その強誘電性が磁場で制御できることを発見した(文献1)。
さらに、銅酸化物や鉄酸化物などいくつものらせん磁気構造を持つ磁性絶縁体においても磁気秩序に起因した強誘電性と顕著な電
気磁気応答を見出し、らせん磁気構造を起源とする強誘電性発現の普遍性を示した(文献2)。
文献
1)T. Kimura, T. Goto, H. Shintani, K. Ishizaka, T. Arima, and Y. Tokura, "Magnetic control of ferroelectric polarization", Nature 426, 55-58 (2003).
2)T. Kimura, Y. Sekio, H. Nakamura, T. Siegrist, and A. P. Ramirez, "Cupric oxide as an induced-multiferroic with high-TC", Nat. Mater. 7, 291-298 (2008).
その他
日本物理学会、American Physical Socitety、Materials Research Society各会員。
Physical Review B Editorial Board、Solid State Communications Editorial Board、Journal of Physical Society of Japan 編集委員等。
将来計画
本研究室では、新しいタイプの磁性-誘電性結合、いわゆるマルチフェロイック結合の創成および新規マルチフェロイック物質開発を行い、
複数の構造・電子秩序状態の結合に起因する普通でない電気・磁気特性の制御など新規物性・機能の発現を目指した研究を行っています。
教員からのメッセージ
自身を高めるために、学生のときにしかできない様々な挑戦をして下さい。