教員紹介

一覧へ戻る

亀山 康子

(かめやま やすこ/教授)

サステイナブル社会デザインセンター/サステイナビリティ学

略歴

  • 1990年3月東京大学教養学部教養学科卒業
  • 1990年4月(株)東京海上火災保険株式会社
  • 1992年4月~環境庁国立環境研究所
  • 1999年9月~2000年8月米国メリーランド州立大学客員研究員
  • 2006年~2015年 東京大学大学院新領域創成科学研究科 客員准教授/教授
  • 2020年5月(国研)国立環境研究所社会環境システム研究センター長
  • 2022年4月(国研)国立環境研究所社会システム領域上級主席研究員
  • 2022年5月より現職

教育活動

新領域創成科学研究科:サステイナビリティ学

研究活動

  1. 気候変動に関する国際協調
    気候変動に関しては1980年代から国際的取り組みが求められるようになり、これまで国連気候変動枠組条約、京都議定書、パリ協定といった国際条約が締結されてきているが、問題解決には至っていない。国ごとに気候変動に対するスタンスが異なるのはなぜか?スタンスが異なる国家間の合意はどのように形成されるのか?いかなる合意であれば実効性が高まるのか?他の地球環境条約との違いはどこにあるか?このような問いに答えるための研究を行ってきた。

  2. 持続可能性の計測のための指標
    持続可能な発展に対する理解は高まっているが、いかなる状態であれば持続可能といえるのだろう。持続可能な開発目標(SDGs)は、持続可能性という複雑な概念を分かりやすく伝える役割を果たしたが、17のゴールは相互に関連し合い、一つのゴール達成に向けた努力が他のゴールに負の影響をもたらすおそれもある。スケール(地球、国、地域)によっても、持続可能性を担保する条件は変わってくる。そこで、特に日本という国レベルで持続可能性を考えた時の持続可能性を計測するための指標を検討してきた。

文献

  1. Box-Steffensmeier J.M, Burgess J., Corbetta M., … , Kameyama Y., et al. (2022) The future of human behaviour research, Nature Human Behaviour 6, 15-24.
  2. 亀山康子(2021)「エネルギー・気候変動政策から紐解く国際関係」『国際政治』No.202, 87-96.
  3. Kameyama Y. and Takamura Y. (2021) Editorial, “Climate Change and Security: Filling Remaining Gaps,” Politics and Governance 9(4), 1-4.
  4. 亀山康子(2021)「気候変動対処に向けた国際的取り組みの経緯」国立天文台編『環境年表2021-2022』509-510.
  5. 亀山康子(2021)「グラスゴーで何が決まったか―COP26の成果と課題」『外交』70, 14-19.
  6. Kameyama Y. (2021) “Climate Change Policy: Can New Actors Affect Japan’s Policy-Making in the Paris Agreement Era?” Social Science Japan Journal, 24(1), 67-84. Doi: 10.1093/ssjj/jyaa051.  https://academic.oup.com/ssjj/article/24/1/67/6079283?guestAccessKey=ecf9ee28-6a0f-4a72-878a-bf9994d473fc
  7. Kameyama Y., and Ono K. (2021) “The Development of Climate Security Discourse in Japan”, Sustainability Science, 16(1), 271-281. doi: 10.1007/s11625-020-00863-1
  8. Kameyama, Y. (2021) “Net Zero Target”, World Energy, 49 July 2021. 38-41. https://www.eni.com/static/en-IT/world-energy-magazine/energy-games.html
  9. 亀山康子(2021)「気候安全保障の概念整理とその重要性」公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所編『気候安全保障-地球温暖化と自由で開かれたインド太平洋』 31-44.
  10. 亀山康子(2021)「気候変動ガバナンスにおけるステークホールダー間ネットワーク―産業界の役割を事例として」『学術の動向』2021年1月,26(1), 84-87.
  11. 亀山康子(2021)「バイデン政権の気候変動対策と日本」『世界』2021年4月号、No.943, 岩波書店、183-191.
  12. Kameyama, Y. (2021) “Feeling the heat: external pressure and Japan’s commitment to carbon neutrality”, East Asia Forum, June 11, 2021 https://www.eastasiaforum.org/2021/06/11/feeling-the-heat-external-pressure-and-japans-commitment-to-carbon-neutrality/
  13. Sakaguchi I., Ishii A., Sanada Y., Kameyama Y., Okubo A. and Mori K. (2020) “Japan’s environmental diplomacy and the future of Asia-Pacific environmental cooperation,” International Relations of the Asia-Pacific, 21(1) 1-36. Doi: 10.1093/irap/lcaa020. https://academic.oup.com/irap/advance-article/doi/10.1093/irap/lcaa020/6024964?guestAccessKey=79ba26f4-3344-40fa-9f8a-c0cc399c4872
  14. 亀山康子・佐々木実紀(2020)「気候変動リスク認識に関する世界および日本の企業業種別分析」『環境科学会誌』33(6) 159-171. DOI https://doi.org/10.11353/sesj.33.159
  15. Kameyama, Y. (2020) “Emitters in the Spotlight - Japan: Innovation First, Climate Next,” Institut Montaigne Website, August 18, 2020 https://www.institutmontaigne.org/en/blog/emitters-spotlight-japan-innovation-first-climate-next.

その他

  • 環境経済・政策学会常務理事(2020~2023)
  • 環境科学会理事(2020~2023)
  • Politics and Governance 編集委員(2020~)
  • 日本学術会議連携会員(2018~2023)

将来計画

東京大学新領域という教育の場と、国立研究開発法人など研究の場をつなげることで、若い世代に第一線の研究への参画を促したい。

教員からのメッセージ

学問を志す動機は様々です。真から学問が好きな方もおられるでしょうし、何か達成したい目的があって手段として学問を必要とする場合もあるでしょう。サステイナビリティ学では、後者が多いかもしれません。環境問題や貧困など、社会には様々な問題があり、その解決の一助として専門知識を得る。その場合、問題の原因から解決方法まで幅広い知識が必要となる一方、何か1つ、自分が勝負できる学問分野をとことん突き詰める必要もあります。自分が何で勝負していくのかを考えながら過ごしてほしいと思います。