田辺博士准教授が2022年度吉川允二記念核融合エネルギー奨励賞を受賞
- 受賞 / 表彰
先端エネルギー工学専攻の田辺博士准教授が2022年度吉川允二記念核融合エネルギー奨励賞を受賞し、2023年3月17日に行われた核融合エネルギーフォーラム第15回全体会合で表彰されました。
吉川允二記念核融合エネルギー奨励賞は、ITER計画や幅広いアプローチ(BA)活動などに代表される核融合エネルギーの実現に寄与しうる国内外の研究・技術開発活動、調査活動、社会連携・貢献活動等の中で、若手人材による優れた成果を顕彰するものです。大型研究所所属研究者らの受賞が中心を占める同賞について、東京大学で開発された球状トカマク合体生成法や先進プラズマ診断技術を基軸とした国際展開で、英国カラム研究所のMASTや核融合ベンチャートカマクエナジーのST40実験と連携した研究活動が評価されました。
2022年度吉川允二記念核融合エネルギー奨励賞 |
「NBIフリーイオン温度計測を用いたセンターソレノイドフリー立ち上げシナリオの研究」 |
田辺 博士 東京大学大学院新領域創成科学研究科先端エネルギー工学専攻 准教授 |
受賞コメント:
「この度はこのような歴史ある賞を賜りまして誠にありがとうございます。評価委員の先生方、ご推挙いただいた先生方ならびに、学会や共同研究先等でお世話になった皆様に深く感謝申し上げます。民間核融合部門で近年注目されるトカマクエナジーST40やカラム研究所MASTと連携して進めてまいりました合体生成球状トカマク実験、NBIフリーイオン温度計測の現地建設を含めた実務共同研究の研究活動を評価いただき大変うれしく思います。今回受賞式はリモート参加となってしまいましたが、ちょうど2月からトカマクエナジーに長期派遣の途上でございまして、東京大学で実績を上げたマルチスリット型の2次元96CHイオンドップラートモグラフィ計測応用に必要なポート確保のめどがたち、アップグレード機材を直接現地に持ち込んで実機建設作業を現在進めているところで、プラズマ加熱シナリオを詳細に評価できる「目」を確立した上でさらなるシナリオ最適化研究を進めていく予定です。球状トカマクの分野はまだまだ小型中型の装置が多い分野となりますが、2022年にようやくトカマクヘリカルに並ぶ1億度の分野に参入がすすんできたところで、本賞の受賞を励みに今後より一層精力的に活動を進めさせていただければと存じます。今後ともご指導お鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。」
賞の詳細については、核融合エネルギーフォーラムの、吉川允二記念核融合エネルギー奨励賞をご覧ください。