先端生命科学専攻の富永賢人特任研究員がJSTゲノム合成領域CRESTさきがけ合同領域会議にて優秀ポスター賞を受賞
- 受賞 / 表彰
東京大学大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻の富永賢人特任研究員が、2022年12月6日~9日に兵庫県神戸市で開催されたJSTゲノム合成領域第5回CRESTさきがけ合同領域会議において、優秀ポスター賞を受賞しました。
発表題目:
Identification of novel virus-derived helicase loader genes in Vibrionaceae by contrapositive genetics
Kento Tominaga, Yuki Nishimura, Kimiho Omae, and Wataru Iwasaki.
本研究では、複製に必須なDNAヘリケースローダー遺伝子を持たないVibrio科細菌ゲノムのみが持つ新規な必須遺伝子を発見しました。この遺伝子は既知のヘリケースローダー遺伝子との配列類似性が低い機能未知遺伝子でしたが、AlphaFold2でタンパク質立体構造を予測すると、ウイルス(ファージ)の保有するヘリケースローダーに類似した構造を示しました。この遺伝子はウイルスからの水平伝播によりVibrio科において20回以上も獲得されたことが示唆され、ウイルス遺伝子によって生存に必須な遺伝子でも頻繁に置き換わることが示されました。
受賞コメント:
本研究では必須遺伝子・ウイルス・海洋細菌という私のこれまでの研究のキーワードが、岩崎研の得意とするバイオインフォマティクス手法によって(偶然ですが)一つにつながったことで面白い成果を得ることができました。今回の受賞はこれまで研究を通じて多くの皆さんに支えていただき、研究を続けてこれたおかげだと思います。今後はこの遺伝子の機能を実験で直接的に実証するとともに、この世界にまだまだ存在する多数の機能未知の遺伝子についてもその機能を解き明かしていきたいと思います。
JSTゲノム合成領域研究総括の塩見春彦教授(慶應義塾大学)から表彰を受ける富永賢人特任研究員