記者発表

東京大学・武蔵野大学・住友不動産「新築そっくりさん」 建物改修による脱炭素効果の研究成果公表

投稿日:2022/06/16 更新日:2022/12/02
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住友不動産
東京大学大学院新領域創成科学研究科
武蔵野大学

東京大学大学院新領域創成科学研究科 清家 剛 教授および、武蔵野大学工学部環境システム学科 磯部 孝行 講師、住友不動産株式会社(代表取締役社長:仁島 浩順) は、脱炭素・循環型社会の実現に向けて、既存戸建住宅の改修における環境評価手法※の確立を目的とした共同研究の第一フェーズを2021年12月より2022年3月まで実施してまいりました。今般、その研究成果がまとまりましたので、ご報告いたします。

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BIM(Revit)、3Dモデリング(Matterport)を活用して既存建物の資材構成等を精緻にデータ化し、分析

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基礎や構造材の再活用により、建築資材の製造等に伴うCO2排出量を47%削減/戸当たり約22tCO2削減

本研究では、 BIM※、3Dモデリングなどデジタル技術を活用して既存戸建住宅の改修前・改修中の既存部材の再活用量を把握するとともに、発注書等で改修時資材投入量を把握し、建物LCA評価※を実施しました。住友不動産の改修現場で行われた調査の結果、全面改修工事により建物性能(耐震性・断熱性など)が大きく向上した再生戸建住宅において、同様の建物を建替えた場合に比べ、基礎・躯体等の再活用により資材投入量等が大幅に削減され、CO2排出量が47%削減されることがわかりました。

住宅ストックのうち大きな割合を占める既存戸建住宅へのアプローチは、日本の脱炭素化には必要不可欠であり、有効な対策として基礎や構造材を再活用する戸建住宅の再生に注目が集まっております。今後も調査研究を進め、さらに脱炭素化を推進してまいります。

※ 「環境評価手法 (改修版)」
建物に関連する廃棄物発生量・資源投入量及びCO2発生量等を定量的かつ一般的に把握するためのツールや手法のこと。定量化により、削減効果の見える化や建替え等との比較検討が可能となる。新築においては「建物のLCA指針」など、すでに一般化されているが、改修における同様の手法は現在確立されていない。

※BIM
Building Information Modeling の略称。資材データ等を入力し、それらを組み合わせることで、3次元の建物デジタルモデルを構築する技術のこと。

※LCA
Life Cycle Assessment の略称。製品等のライフサイクル全体における環境負荷を定量的に評価する手法のこと。

詳しくは、プレスリリース資料をご覧ください。

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