新物質科学 廣井善二教授研究室

Hiroi Zenji

廣井教授からのメッセージ

無数の電子が互いに引き合い反発しあい、時には想像を越えた動きをする。まるで人にも似た、物質の個性をそこに見ることができます。

30歳前に小さなダイヤモンドの指輪を買った時、その中にカーボン原子が無限に規則正しく並んでいるのを想って感動しました。自然が作り出す結晶の美しさには神々しいものがあります。そこに無数の電子が加わってくると面白い物理現象が現れます。 互いに相互作用しながら、ある時には反発し、ある時には引き合って、様々な相転移を引き起こすのです。その最も顕著な例が超伝導という量子現象です。一方、無数のスピンの集合が、絶対零度に向かってもふらふらしていることが起こります。そのような量子力学的「液体」状態を知るための答えは得られておらず、大きな謎として残されています。われわれは、様々な物質を合成してその基礎物性を評価することにより、超伝導や量子磁性などの面白い物理現象に関わる謎を解くことを目指しています。さらに、室温を超える転移温度を有する超伝導や、誰も観測したことのない未知の物理現象を発見することを目指して、全く知られていない新物質の探索を強力に推し進めています。われわれの夢は、皆さんがあっと驚くような物質を世に送り出すことです。

キーワード

超伝導 / 多極子秩序 / スピン軌道結合金属 / パイロクロア酸化物 / ラットリング / 強相関電子系 / 物質探索 / フラストレーション / 超伝導体 / 水熱合成法 / 物性実験 / カゴ状化合物 / 遷移金属酸化物 / 銅酸化物 / スピン貴軌道結合金属 / 多極子 / β-ReO2 / PbRe2O6 / Cd2Re2O7 / 空間反転対称性 / スピン結合軌道金属 / イオン液体 / フラストレート磁性体 / イオン液体合成法 / 水熱合成 / イオン液体合成 / 磁気フラストレーション / 物質開発 / strongly correlated electron system / frustration / transition metal oxide / rattling / superconductivity / pyrochlore oxide / hydrothermal synthesis / Hg-based Cu oxides / single-crystal growth / high-Tc superconductors / 臨界電流密度 / 単結晶 / 高温超伝導 / 水銀系銅酸化物超伝導体 / 単結晶育成 / 高温超伝導体 / 比熱 / 新物質探索 / βパイロクロア酸化物 / 籠状化合物 / 電子格子相互作用 / 透明酸化物伝導体 / 光キャリア注入 / ヘテロ接合 / 光ドーピング / 光電子分光 / 薄膜 / 光物性 / スピンラダー / はしご格子 / 高圧合成

プロフィール

1983年 京都大学理学部化学科卒業
1987年 京都大学大学院理学研究科 博士後期課程中途退学
1987年 京都大学化学研究所文部技官
1992年 京都大学化学研究所助手
1995年 京都大学化学研究所助教授
1998年 東京大学物性研究所助教授
2004年 東京大学物性研究所教授

石川 孟 さん

廣井先生は普段から明るく、研究のこともそれ以外のことも学生とよく話をします。ミーティングでは研究について親身に相談に乗っていただき、さまざまな助言をいただくのでとても勉強になります。廣井研究室は、各自が自由に、自分のペースで研究に取り組んでいます。研究では、新物質の合成や高品質な単結晶を用いた物性測定を通して新しい物理現象を発見し、物性科学の新しい研究分野を切り開いていきたいと思います。
物質系専攻には物理系、化学系、材料系など様々な研究室があり、物質科学について幅広く学ぶことができます。ここで学んだ知識や考え方は社会に出てからきっと役に立つと思います。柏キャンパスにはすばらしい実験設備と研究に適した環境が整っているので、充実した研究生活を送ることができます!

277-8561
千葉県柏市柏の葉5-1-5
東京大学大学院新領域創成科学研究科
物質系専攻
廣井善二教授研究室

04-7136-3445
hiroi@issp.u-tokyo.ac.jp

物質系専攻の目標

物質系専攻の目標は、未開拓な自由度を操ることができる舞台=“新物質”を開拓すること、その舞台から生み出される未知の現象を探索して優れた機能を引き出すこと、 また、その機構を解明すること、そして、それらの現象・機能の応用分野を開拓することで人類社会の発展に貢献することにあります。

物質系専攻

〒277-8561
千葉県柏市柏の葉5-1-5
東京大学柏キャンパス
新領域創成科学研究科
Mail:ams-office(at)ams.k.u-tokyo.ac.jp
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