教員紹介

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飯本 武志

(いいもと たけし/教授/環境学研究系)

環境システム学専攻/環境安全マネジメント学

略歴


1991年3月 早稲田大学理工学部資源工学科 卒業
1993年3月 早稲田大学大学院理工学研究科物理学及び応用物理学専攻 修士課程 修了
1996年3月 早稲田大学大学院理工学研究科物理学及び応用物理学専攻 博士課程 修了

1996年4月 早稲田大学理工学総合研究センター 嘱託研究員
1996年6月 文部科学省放射線医学総合研究所人間環境研究部 客員研究官
1996年9月 東京大学原子力研究総合センター 研究機関研究員(非常勤講師)(兼務)
1998年4月 財団法人電力中央研究所狛江研究所 研究員
1998年6月 東京大学原子力研究総合センター 助手
2005年4月 東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻 助手
2007年4月 東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻 助教
2007年10月 東京大学環境安全本部 助教
2007年11月 東京大学環境安全本部 准教授
2015年11月 東京大学大学院新領域創成科学研究科環境システム学専攻 准教授(兼担)
2017年7月 東京大学環境安全本部 教授(現職)、環境システム学専攻(兼担)

教育活動


大学院:
- 放射線リスクマネジメント学

大学院工学系研究科:
- 原子力専攻(専門職大学院)「放射線安全学」 担当「概論」「法令」「放射線防護体系」
- 機械系共通「システムプランニング」 担当「リスクとハザード」


教養学部:
- 学術フロンティア講義 責任教員
「環境安全衛生入門-身のまわりのリスクから学び、安心へつなげる-」
- 学術俯瞰講義「宇宙・物質・社会-物質の成り立ちから応用まで」(H27年度)
担当「放射能・放射線 ~さまざまな顔をもつ放射線といかに上手につき合うか~」
- 学術俯瞰講義「物質の神秘 その生い立ちから私たちの未来まで」(H25年度)
担当「放射線のリスクと防護の科学」

研究活動


私たちはさまざま環境や状況で放射線に遭遇しています。「太古から存在する自然の放射線」、「より良い人間活動や生活環境を求めて医療分野や産業分野等で便利に利用してきた人工の放射線や放射性物質」、「その結果として発生する放射性廃棄物」、「東電・福島第一原発事故で、拡散した放射性物質によって汚染された広大な環境」等々。そのような状況のなか、私たちは空港の荷物検査や病院での診療診断で放射線の便利さを享受している一方で、ときに、放射線被ばくの話題を耳にし、その影響やリスクに不安をいだくこともあります。
「放射線」の環境はヒト・社会を含む環境システム全体に話題が展開する典型的な事例のひとつです。環境安全マネジメント学では「放射線(能)」「放射線防護」をキーワードとし、すべての放射線環境に関する安全やリスクマネジメント上の課題を自然科学研究と社会科学研究の両軸から追及していきます。具体的には、
?@ 放射線計測法や線量評価の手法の開発研究
?A 放射線利用や放射性廃棄物の安全対策には欠かせない管理学的な研究
?B 身のまわりに存在する比較的高いレベルの自然放射能に関する安全研究
?C ヒト以外の生物種を対象とした環境放射線防護や環境アセスメントに関する研究
?D リスクマネジメントやリスクコミュニケーションに関する研究 等
の内容について、国際原子力機関(IAEA)、国連科学委員会(UNSCEAR)、国際放射線防護委員会(ICRP)等の国際動向や、我が国における規制科学上の論点やニーズに基づくタイムリーなテーマを選定します。


文献

https://researchmap.jp/takeshi_iimoto/published_papers

その他


所属学会:日本保健物理学会、日本放射線安全管理学会、日本原子力学会、電気学会

将来計画

環境安全マネジメント学を現場視点に基づく実学と位置づけ、ここでは特に放射線防護や安全管理上の論点を具体的な研究課題として扱います。ここで研究する環境安全マネジメントに関するアプローチは、放射線以外の別の環境安全分野でも応用展開できるはずです。
本学環境安全本部の教員として全学の放射線安全管理上の戦略を企画立案する視点や、市民の安全安心を確保するための規制科学的な視点が、この実学的研究の基盤になります。関連の研究・教育活動を通じて、環境安全マネジメントの視点をもったバランス感覚のある人材を多く育成、輩出し、社会的貢献を果たしたいと考えています。

教員からのメッセージ

主題として扱う「放射線防護」の話題には、STEM(科学技術、工学、数学)を軸とした自然科学の視点のみならず、社会科学的な視点も求められるケースが多くなってきました。一本の太い柱(専門性)を築き、自らの主張を適切に伝えることのできる能力とともに、自分と異なる他者の見方、考え方を上手に見聞きできる力も、「研究室活動」を通じて学生諸君と一緒に養い、身につけ、向上したいと思っています。