鈴木 邦律
(すずき くにのり/准教授/生命科学研究系)
先端生命科学専攻/オートファジー(自食作用)の分子機構
略歴
1992年3月 東京大学理学部生物学科(植物)卒業
1994年3月 東京大学大学院理学系研究科植物学専攻修士課程修了(修士 (理学))
1994年4月~1999年3月 浜松ホトニクス株式会社 システム事業部
1999年4月 総合研究大学院大学生命科学研究科分子生物機構論専攻博士課程入学
2002年3月 同修了(博士(理学))
2002年4月~2003年9月 日本学術振興会特別研究員(PD)
2003年10月~2009年3月 基礎生物学研究所エネルギー変換機構研究部門助手(のち助教)
2009年4月~2011年10月 東京工業大学フロンティア研究機構特任助教
2011年10月~2022年12月 東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻准教授
2023年1月~ 現職
教育活動
大学院:基礎生物学・分子生物学
大学院:生命生存応答学
研究活動
出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeを真核細胞のモデルシステムとして用いて、オートファジーと呼ばれる細胞内タンパク質分解システムの研究を行っている。オートファジーとは、液胞/リソソームを介して細胞質成分を大規模に分解するシステムである。オートファジーは分解システムとしての側面に加え、オートファゴソームという二重膜オルガネラを新規に生合成するシステムとしての側面を持つ。オートファゴソーム形成は、細胞質に出現した小さな袋状の膜が伸展して隔離膜となり、伸展した隔離膜の末端が閉じることによって、オートファゴソームが形成されるという極めてダイナミックなプロセスである。私はオートファゴソーム形成の分子機構とオートファジーによる被分解物及びオートファゴソームの分解機構に興味を持って研究を進めている。
文献
1) Tatsuya Kawaoka, Shinsuke Ohnuki, Yoshikazu Ohya and Kuninori Suzuki. Morphometric analysis of autophagy-related structures in Saccharomyces cerevisiae. Autophagy, 13, 2104-2110 (2017).
2) Eri Hirata, Yoshikazu Ohya and Kuninori Suzuki. Atg4 plays an important role in efficient expansion of autophagic isolation membranes by cleaving lipidated Atg8 in Saccharomyces cerevisiae. PLOS ONE, 12, e0181047 (2017).
3) Meipin Ngu, Eri Hirata, Kuninori Suzuki. Visualization of Atg3 during autophagosome formation in Saccharomyces cerevisiae. J. Biol. Chem. 290, 8146-8153 (2015).
その他
日本細胞生物学会、日本生化学会各会員
将来計画
(1)オートファゴソーム形成過程の再構成
(2)オートファゴソーム分解過程の分子機構
(3)オートファゴソーム内容物の網羅的解析
(4)出芽酵母の種々のオルガネラの形態を数値化し解析する
教員からのメッセージ
研究に一心に取り組むことで自分の得意技を見つけ出すのが大学院時代に課せられた課題だと思います。あらゆる生命現象を自分の土俵に引きずり込んで料理することができれば恐い物はありません。