寺田 徹
(てらだ とおる／准教授／環境学研究系)
自然環境学専攻／陸域環境学講座／生物圏情報学分野（都市・ランドスケープ計画）
略歴
2006年3月 筑波大学第三学群社会工学類都市計画主専攻卒業
2008年3月 筑波大学大学院システム情報工学研究科社会システム工学専攻都市・環境システム分野修士課程修了 修士（社会工学）
2011年3月 東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻博士課程修了、博士（環境学）
2011年4月 東京大学大学院新領域創成科学研究科特任研究員
2011年7月 東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻助教
2015年10月 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻（まちづくり大学院）特任講師
2016年8月 東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻専任講師
2020年4月 東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻准教授（農学部緑地環境学専修兼担）
教育活動
緑地学、造園学、都市計画学に関わる以下の講義・実習を担当している。
1）自然環境学専攻：景観形成論、環境政策論、生物圏情報論、Terrestrial Natural Environment、自然環境野外総合実習、自然環境学実習、陸域景観学実習、環境情報学実習、自然環境学研究、自然環境学演習
2）環境学研究系・環境デザイン統合教育プログラム：自然環境デザインスタジオ、緑地環境デザインスタジオ、地域活動デザインスタジオ、統合環境デザイン論
3）環境学研究系・サステイナビリティ学教育プログラム：Planning and Design for Sustainability
4）農学部・緑地環境学専修：緑地計画学、緑地環境実地実習
5）工学系研究科・都市工学専攻：生態学・生態工学
6）教養学部：地域未来社会政策立案演習
研究活動
都市や地域の存立基盤としての自然環境の理解、非建蔽地（緑地・オープンスペース）の計画やデザイン、社会・経済・環境の変化に適応するための人と自然のより良い相互関係の追及など通じて、成熟時代の都市や地域のあり方を考究・発信している。最近のプロジェクトとして、科研費基盤B「民有地も含めたアーバンフォレストの総合評価とその展開に向けた学術的基礎の構築」など。
文献
造園・ランドスケープ分野、都市計画分野の雑誌を中心に研究室の成果を公表している。近年の成果は以下のとおり。
- Shishido, S., Terada, T., & Kashihara, S. (2024). Evaluating the capability of experiences in public open spaces. Landscape Research, 1-17.
- Shiraishi, K., and Terada, T. (2024). Tokyo’s urban tree challenge: Decline in tree canopy cover in Tokyo from 2013 to 2022. Urban Forestry & Urban Greening, 128331.
- Iida, A., Terada, T., Tsuchiya, K., Yamaguchi, T., & Yokohari, M. (2024). Rediscovering circularity in productive urban landscapes. Urban Forestry & Urban Greening, 96, 128339.
- 寺田徹（2023）：市街化に伴う都市農地の転用とその計画的保全．八木洋憲・吉田真悟（編著）都市農業の持続可能性，日本経済評論社，212pp. 93-116.
- 末歩美・寺田徹・平林聡（2023）：生態系サービス評価値の提示は住民の樹木の保全・維持管理意識に影響を与えるか？ ランドスケープ研究（オンライン）16, 17-26.
- 板鼻大樹・寺田徹（2022）：開発年外からみた千葉県柏市の戸建て住宅地の庭木の動向．ランドスケープ研究（オンライン）15, 63-70.
- Tharindu Amarasinghe, W. V., Terada, T., and Yamamoto, H. (2021) : Enhancing the carbon sequestration of high-elevation Eucalyptus plantations in Sri Lanka for future carbon market activities. Journal of Forest Research. 26(5), 351-357.
- 秋武優梨菜・柏原沙織・寺田徹（2021）：まちづくり団体による都市農業の市場外流通支援の特徴と課題．都市計画論文集56(2), 368-376.
- Terada, T. (2020): Evaluating landscape improvement scenarios from the perspective of biomass production: A case study of peri-urban satoyama woodland in the Tokyo Metropolitan Area. Sustainability Science 15, 1495-1510.
- Bessho, A., Terada, T., and Yokohari, M. (2020): Immigrants’ “Role Shift” for Sustainable Urban Communities: A Case Study of Toronto’s Multiethnic Community Farm. Sustainability 12(19), 8283.
- 寺田徹（2018）：都市緑地ー都市と自然を接続する．中島直人・村山顕人・高見淳史・樋野公宏・寺田徹・廣井悠・瀬田史彦（著）都市計画学：変化に対応するプランニング，学芸出版社，206pp．106-128に所収．
その他
学会活動：日本造園学会みどりのリサイクル研究推進委員会委員長（2025.4-）、日本都市計画学会学術委員分野幹事（2025.1-）、日本造園学会編集委員会幹事（2023.5-）など。
外部委員会：小平市都市計画マスタープラン策定委員会委員（2025.4-）、葛飾区緑の基本計画策定委員会委員（2024.11-）、町田市里山環境活用保全計画推進委員会副委員長（2022.4-）、国土交通大学校講師（2019.6-）、Casbee街区検討小委員会委員（2018.7-）など。
実践的活動：新地アーバンデザインセンター（UDCしんち）副センター長（2024.1-）、「サーキュラータウン」の提案とその実装に向けた検討（竹中工務店との共同研究、2022.4-）、里山住宅「ヒュッゲガーデン」共有地のコミュニティ・マネジメント（2021.4-）など。
将来計画
研究者としては、アーバンフォレストリーに関わる書籍出版、日本における造園・ランドスケープ学の総合的なレビュー、Evidence based planningとしての都市緑地計画の追求、自然地形の人文的価値に関わる国際学際研究など。教育者としては、学生の興味を学術的成果へ導くためのsupervisionの方法論を一定程度確立したい。
教員からのメッセージ
都市やランドスケープを対象とする計画分野の学術研究は、対象とする地域の人や自然をよく知ることから始まります。その中で浮かんだ直観的な疑問やアイデア、あるいはしっくりくる／気持ち悪いなどの感覚を掘り下げ、自分自身で理解し、立場の違う他者の共感も得られるように、調査や議論を重ねて客観的・理論的に分析・記述する一連のプロセスが、計画分野の研究の醍醐味です。五里霧中を走るようなそうしたプロセスを研究仲間と共にする経験は、どんな仕事に就いたとしても将来の糧になると思います。