教員紹介

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鈴木 牧

(すずき まき/准教授/環境学研究系)

自然環境学専攻/陸域環境学講座/生態学(森林及び植物を中心とする)

略歴

1996年 3月北海道大学農学部森林科学科卒業
2001年 3月北海道大学大学院地球環境科学研究科博士課程修了
2001年 4月京都大学大学院農学研究科研修生
2003年 4月兵庫県立大学自然・環境科学研究所(兵庫県立姫路工業大学)自然・環境科学研究系 客員研究員
2004年 9月東京大学大学院農学生命科学研究科産学官連携研究員
2005年 1月同研究拠点形成特任研究員
2005年 4月同学術研究支援員
2006年 8月同附属演習林千葉演習林助教
2007年 4月同秩父演習林助教
2011年 4月同講師
2012年4月より現職

教育活動

大学院新領域創生科学研究科:陸域生態論
大学院農学生命科学研究科:森林生物動態学
農学部:森林生態圏管理学,森林科学概論
教養学部:全学体験ゼミ

研究活動

人間の社会構造の変容とともに,歴史的に培われてきた人と生態系との関係は劇的に変化し,生物多様性の喪失や生態系サービスの低下を招いている.これらの問題を解消するため,観測的手法による問題の発見と,実験的手法による仮説の検証を両輪とし,主に以下のようなテーマに取り組んでいる.
(1) 森林生物資源・森林生態系の持続的利用に関する研究(文献1,2,8,10).野生ニホンジカの密度増加による森林生態系(植生,動物相,土壌物理化学性)への影響評価,ニホンジカの強度影響下にある旧薪炭林(二次林)の生態系機能修復,択伐施業による天然林動態への影響の評価など.
(2) 群集の形成と変化を司る決定論的・確率論的なメカニズムの理解(文献 1,3,4).
(3) 樹木個体が枝葉の半自律的な振る舞いを通じて発達・維持されるメカニズムを理解するための基礎的研究(文献 6,13,14).

文献

[主要論文]
1) Suzuki M, Miyashita T, Kabaya H, Ochiai K, Asada M, Kikvidze Z (in press) Deer herbivory as an important driver of divergence of ground vegetation communities in temperate forests. Oikos (doi: 10.1111/j.1600-0706.2012.20431.x)
2) 鈴木牧,藤原章雄,鴨田重裕,前原忠,齋藤暖生,松井理生,井口和信,梶幹男,鎌田直人 (2011) エゾシカ低密度生息域の天然生林における剥皮発生リスク要因:シカの生息地利用特性と樹木個体の特性に基づく分析.日本森林学会誌93: 213-219
3) Kikvidze Z, Suzuki M, Brooker R (2011) Importance versus intensity of ecological effects: why context matters. Trends in Ecology and Evolution 26:383-388
4) Suzuki M (2011) Effects of the topographic niche differentiation on the coexistence of major and minor species in a species-rich temperate forest. Ecological Research 26: 317-326
5) 高田まゆら,鈴木牧,落合啓二,浅田正彦,宮下直 (2010) 景観構造を考慮したニホンジカによる水稲被害発生機構の解明とリスクマップの作成.保全生態学研究15: 203-210
6) Suzuki AA, Suzuki M (2009) Why do lower order branches show greater shoot growth than higher order branches? Considering space availability as a factor affecting shoot growth. Trees 23: 69-77
7) Miyashita T, Suzuki M, Ando D, Fujita G, Ochiai K, Asada M (2008) Forest edge creates small-scale variation in reproductive rate of sika deer in a donor-control fashion. Population Ecology 50: 111-120
8) Suzuki M, Miyashita T, Kabaya H, Ochiai K, Asada M (2008) Deer density affects ground-layer vegetation differently in conifer plantations and hardwood forests on the Boso Peninsula, Japan. Ecological Research 23: 151-158
9) Miyashita T, Suzuki M, Takada M, Fujita G, Ochiai K, Asada M (2007) Landscape structure affects food quality of sika deer (Cervus nippon) evidenced by fecal nitrogen levels. Population Ecology 49: 185-190
10) 藤木大介,鈴木牧,後藤成子,横山真弓,坂田宏志 (2006) ニホンジカ(Cervus nippon)の採食下にある旧薪炭林の樹木群集の構造について.保全生態学研究 11: 21-34
11) Miyazawa Y, Ishihara M, Suzuki M, Fukumasu H, Kikuzawa K (2006) Comparison of physiology, morphology, and leaf demography between tropical pioneer saplings with different crown shapes. Journal of Plant Research 119: 459-467
12) Kikuzawa K, Shirakawa H, Suzuki M, Umeki K (2004) Mean labor time of a leaf. Ecological Research 19: 365-374
13) Suzuki M (2004) Size structure of current-year shoots in mature crowns. Annals of Botany 92: 339-347
14) Suzuki M, Hiura T (2000) Allometric differences between current-year shoots and large branches of deciduous broad-leaved tree species. Tree Physiology 20: 203-209

[著書・報文]
1) 鈴木牧 (2003) 枝系.生態学事典(日本生態学会編) pp.37-38 共立出版社,東京
2) 鈴木牧,池田裕行,軽込勉,藤平晃司,塚越剛史,三次充和,里見重成,阿達康眞,村川功雄,大塚明宏,廣嶋卓也,山中征夫,山田利博 (2010) シカの強度影響下における広葉樹二次林の更新および生態系機能修復に関する研究―千葉演習林第12期試験研究計画に基づく大規模野外実験の設計及び初期状態―.演習林(東京大学演習林)49: 7-21
3) 鈴木牧,坂田宏志,田中哲夫 (2004) 兵庫県における狩猟者の動態.人と自然(兵庫県立人と自然の博物館紀要)14: 33-41
4) 鈴木牧 (2003) シュートが作る木,木が作るシュート. 生物科学 54:139-146

その他

日本生態学会大会企画委員会シンポジウム部会(2012),環境省関東山地広域シカ対策検討会委員・埼玉県特定鳥獣保護管理計画検討委員・埼玉県カエデの森整備事業検討委員(2011),秩父地域鳥獣害対策協議会幹事(2009~2011),環境省モニタリングサイト1000 秩父サイト代表・富士サイト代表(2010~2011), Japan LTER 秩父サイト代表(2010~2011)

将来計画

本研究室では現在,本学千葉演習林との協同で,二次林の生態系機能修復に関する10年間の大規模長期野外実験を実施中である.生態系の変化をあらゆる角度から捉えるため,環境や動植物相など様々なデータを蓄積しつつあるが,今後はより多くの研究者に参加してもらうことで多面的な理解を深めていきたいと考えている.また,こうした実験には既存の生態学的知見を整理し,新しい仮説を導く効用もある.実験や観測を通して,動植物間相互作用,防御と成長のトレードオフ,群集構造の決定における撹乱とニッチ分化の相対的寄与,地上部と地下部の関係など,生態学の普遍的問題に貢献する研究を行っていきたい.

教員からのメッセージ

様々な分野の研究者との協働を希望しています.精神的・体力的にタフで,味のある大学院生も募集しています.随時ご連絡ください.

ホームページのURL

http://webpark1415.sakura.ne.jp/masuzuki/