2019年度第2回学融合セミナー
- 講義:
- 2019年5月22日 16:50~18:35
- 場所:
- 新領域基盤棟大講義室(2C0)
月面上、狙ったところへ!~SLIMプロジェクトのご紹介~
坂井 真一郎 客員准教授
月・惑星についての知識が増え、ミッションが高度化するにつれて、「降りられるところに降りる」のではなく、「降りたいところに降りる」ための新しい着陸技術が必要となりつつある。小型月着陸実証機"SLIM"は、従来は数km~10数kmだった着陸精度を、一気に100m程度まで向上させることを目指して、現在JAXAで開発が進められている月着陸機である。本講義では、このSLIMプロジェクトの概要を紹介する。
海洋利用における極値と不確実性
和田 良太 講師海洋における活動は常に風、波、流れの不規則現象に晒される。自然のランダムプロセスに対峙するシステムの設計を行うには、現象の統計的な記述が求められる。例えば、100年に一度の確率で発生する最大波はどれくらいの高さになるか、という問いは過去の経験を時間的に外挿する知恵が必要となる。本セミナーでは、極値統計解析を中心に海洋利用における不規則現象へのアプローチについて紹介したい。
真核細胞のもつタンパク質分解システム・オートファジー
鈴木 邦律 准教授タンパク質は、細胞を構成する重要な要素である。転写・翻訳を介したタンパク質の「合成」は生命活動に必須であるが、その「分解」が細胞の恒常性維持に重要であることは意外と知られていない。オートファジーとは、出芽酵母のよう な単細胞真核生物から我々のような哺乳動物にまで広く保存された大規模なタンパク質分解システムである。本講演では、出芽酵母をモデルとしたオートファジー研究の最先端について概説する。