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2024年度第3回学融合セミナー 共通キーワード:データを読む

講義:
2024年6月19日 16:50~18:35
場所:
ハイブリッド(対面は環境棟1 階FS ホール)
有馬 孝尚 教授

物質における要素と創発性

有馬 孝尚 教授

私たちの身の回りの「もの」を理解する上で通常取り扱う最小要素は原子核と電子である。しかし、物質の性質は、原子核と電子の性質の単なる総和ではなく、複雑な相互作用に起因する創発性そのものである。 望んだ性質をもつ物質を創るには、物質の性質や応答と各要素の位置や運動との関係を知る必要がある。本セミナーでは、この目標に近づくためにこれまで行われてきた科学計測や計算の取り組みを「データを読む」という視点から考える。さらに、このような物質科学の取り組みと、近年話題となっている言語処理を含めた他のさまざまな科学との類似点について紹介する。

和田 良太 准教授

自然現象の極値と不確実性

和田 良太 准教授

風や波を観測すると不規則な変動をする時系列データが得られる。例えば、その中で壊れないものを作るにはどうしたら良いだろうか。ランダム性と規則性の両方を併せ持つ自然現象に対して、有限な経験データからその背後にある共通ルールを見出して、役に立つ意味付けを行う取り組みを「データを読む」という視点から考える。共通ルールを見出すための仮定として用いられる統計理論や力学知見の役割、そこで生じる様々な不確実性について、海洋利用を例に紹介する。