在学生の声

X線で1分子の動きを追う

石井 明衣(いしい めい)
物質系専攻 修士課程

私は学部では東京理科大学の理学部で物理を専攻しましたが、生物分野に興味を持ったことから現在は生物物理の研究をしています。具体的には、人体の力のセンサーであるPIEZO1という蛋白質がどのように機能しているのかをX線一分子追跡法で運動を計測することで解明しようとしています。PIEZOは私達の皮膚に存在していて触れた力を検知することで触覚のセンサーをしています。

先生方のサポートが手厚く、研究設備も整っているため、自分の研究に集中できる環境です。今後は京都で開催される国際学会に参加し、意見交換を行う予定です。そして卒業後の進路は家電メーカーで研究開発職として働くことを考えています。

私が考える新領域の良いところは異なるバックグラウンドを持つ人が集まるため素直で簡単な質問でもし易いことだと思います。

入学を考えている方は、ぜひ一度柏キャンパスや研究室を見学しに来てください。外部の大学から来た人が多く、自分とは違う出身学部や国籍の学生たちと刺激的な議論ができます。研究する上で恵まれた環境が整っています。気軽に足を運んでください。

植物の生きざまを明らかに

半田 和華(はんだ のどか)
先端生命科学専攻 修士課程

学部生のときは、東京理科大学理工学部に所属し、植物や動物などの生物学について幅広く勉強していました。
その際にエピジェネティクスや分子生物学を教えてくださったのが今の指導教員の松永幸大教授です。研究者としての芯がありつつ、生徒思いで優しい先生だという印象から次第に研究内容に興味をもつようになりました。

松永研究室では主に光合成を行うことのできる動物培養細胞の創製研究と、植物の再生機構の研究、植物の核内動態イメージングの研究を行っております。私は新領域に入学後、植物の再生機構の研究に取り組んでいます。植物再生研究は植物の高い生命力を解き明かすだけではなく、応用面でも植物種の保護など無限の可能性をもちます。私たちの身近にいる植物の生きざまを、研究を通じて明らかにしていきたいです。

新領域の魅力は、最先端の機器と情熱を持った研究者がいるところ、そして建物から外に出れば緑豊かな空間が広がっているところです。キャンパス内では定期的にイベントが開かれ、異なる分野の学生・先生方と出会うことができます。皆さんと一緒に研究談義ができることを楽しみにしております。

深海動物と細菌の共生を解明する

吉田 悠(よしだ ゆう)
自然環境学専攻 博士課程

幼い頃から海が好きだった私は、大学の授業などを通して「海洋の微生物と動物の共生関係」に魅了されました。進路に悩み、様々な研究室を訪問していた際、自然環境学専攻の吉澤先生から「深海ナマコのセンジュナマコに興味深い細菌がいる」との話を聞き、新領域の博士課程に進学しました。

現在は深海ナマコと共生する細菌を中心に、棘皮動物と共生細菌の関係を解明する研究を進めています。東大所属の研究所や離島など、様々な場所でサンプルを採集したり、いくつかの学会で発表したりと、この一年間は非常に充実していました。

新領域の魅力は、分野を超えた交流の機会が豊富なことです。私が普段過ごしている大気海洋研究所は、様々な専攻の研究室が集まる場所で、隣の研究室に立ち寄るだけで新しい研究のアイデアが湧いてくる、とてもクリエイティブな環境です。

新領域には他大学から多くの学生が集まり、皆が同じ立場からスタートします。夢中になれることがあるなら、ここには理想的な環境が整っています。いつでも研究室見学にお越しください。

学融合への新たな取り組み

鈴木 健也(すずき けんや)
海洋技術環境学専攻 博士課程

横浜国立大学理工学部では海洋システム構造に関する研究をしていました。しかし、洋上風力発電など海洋開発の社会実装に向けた課題が多く、従来の工学的なアプローチからでは解決では難しいことに気がつきました。そのため学融合への取り組みが盛んな本研究科を大学院に選びました。

博士課程ではシミュレーションモデルを活用し、プロジェクトの意思決定を促進する研究を行っています。この分野は発展途中でありチャレンジングな研究ですが、指導教員の和田良太准教授をはじめとする多くの専門家と議論できる環境が非常に充実しています。

また核融合や宇宙開発分野の学生と議論や研究会に参加する機会もあり、他分野との交流を深めるだけでなく、どのように課題を解決できるかを模索することも刺激になっています。このような幅広い議論の場は、自身の研究を深めるだけでなく、新たな視点やモチベーションを得るきっかけにもなっています。

新領域は興味を広げながら学べる環境が整っているため、好奇心の強い学生には特にお勧めです!

学融合の交差点で自分の情熱に従え

黄 逸倫(HUANG Yilun)
環境システム学専攻 博士課程

学部時代、私はコンピュータ・サイエンスを専攻しました。理論的知識よりもテクノロジーと現実社会の融合に興味がありました。その関心を深めるため、急速に発達している情報技術を通して私たちの環境に貢献できることを願い、新領域の環境システム学専攻に進みました。

私たちの研究プロジェクトが着目しているのは、次世代研究室の安全性です。単純に事故の種類の判別をするだけの従来の安全性モニタリングとは異なり、私たちの手法は、環境、物体、人間のやり取りを分析するため、私たちが様々なシグナル・モニタリング・デバイスとコンピューター技術を組み合わせたものです。これらの分析に基づき、機能性と安全性の両面で最適な研究環境を設計することを目指しています。

新領域は、様々な国、文化、背景を持った人々を引き寄せる、多次元的な環境です。他分野の知識に触れる機会がたくさんあります。たくさんのユニークなアイディアがぶつかり合って、予想もできない創造性を刺激します。学融合を標榜するだけあって、新領域は多様な研究の方向性のための場を豊富に提供しています。様々なアイディアを大胆に試してみることを奨励し、討論では示唆あるアドバイスをくださりながらも先生方は学生の意見を大変尊重してくださいます。

だから、もし新領域にあなたの関心のある分野があるのであれば、自分の情熱に従って、迷わず私たちの仲間になってください。

多様な研究アイディアの興味深いぶつかり合い

沈 玥 (SHEN Yue)
人間環境学専攻 博士課程

私は学部では物理を専攻しました。4年生の時、私の大学と新領域の協力により、柏キャンパスでの研究インターンシップ・プログラム、UTSIPに参加しました。そこで、物理学の理論モデルに金融市場の分析とモデリングを組み合わせた研究を目の当たりにし、本当に視野が広がりました。新領域ではたくさんの研究者が同じように最先端の学融合的研究に取り組んでいました。私は、様々なアイディアが出合い、新たな見識が引き出されるプロセスを楽しみました。教授陣と学生はとてもフレンドリーでした。このことから、私は学部を卒業したら、修士と博士の学位はここで取ろうと決めました。

現在私が取り組んでいるのは、ニューラルネットワークを使って金融市場のマルチモードデータのダイナミック・プロパティを分析して、根底にある関連性 を見つけ出すことです。この課題は、コンピュータ・サイエンス、経済学、統計学、さらには言語学まで、様々な分野の知識を要します。新領域には多様なバックグラウンドの研究者が集まっています。そして、コミュニケーションの機会は、サロン、セミナー、ポスター発表と豊富にあります。先生方と意見交換をして、様々な分野からのインスピレーションを自分の研究に融合させることは、ワクワクします。他の学生とのディスカッションでも新鮮なものの見方やアイディアを得ることができます。

留学生としては、日本に来た当初は心配もありましたが、新領域は研究のことだけでなく、日常生活についてもサポートが充実しています。多文化的な環境も、関心の近い者同士、情報交換ができる友人を作る助けになります。もし関心をお持ちなら、是非、新領域に来てください。

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