外国籍の方が、留学や研究のために日本に滞在する際の保険についてご説明します。
滞在期間中に不慮の事故にあってしまったり、あるいは事故を起こしてしまったり、深刻な病気が判明した場合など、高額な医療費がかかる場合や、賠償金の支払い責任が生じる場合があります。保険に加入していない場合はすべて自己負担になります。たとえ滞在期間が短い場合でも、事故にあったり、手術等が必要な病気が判明する方は珍しくありません。ご自身を守るために、必ず適切な保険に加入してください。日本国内では保険に加入できない方は、渡日する前に適切な保険に加入したうえで、日本へ入国してください。
1.東京大学に学生として在籍する方
東京大学から学生証を発行されている、あるいは発行予定である方のことを指します。
2.東京大学に研究員として在籍する方
3.東京大学を訪問する方
東京大学から身分証明書の発行は無いものの、本学において短期間(3か月以内)、研究等の活動をする場合は、必ず渡日前に海外旅行保険に加入してください。大学を通して、加入できる保険はありません。
留学生の保険について
国民健康保険
日本には国民の医療費の一部を国が負担する国民健康保険制度があります。中長期滞在者(在留期間が3か月以上)の留学生は全員、国民健康保険に加入しなければなりません。加入手続きは、住民登録を行った市(区)役所の国民健康保険担当課の窓口で行います。在留カードを持参して手続きを行うと、即日に国民健康保険被保険者証(保険証)が交付、あるいは、後日に郵送で交付されます。保険料は単身者で収入が無い場合、おおむね年額15,000円程度です。来日後アルバイト等で所得を得た場合、翌年度の保険料が増額される可能性があります。奨学金は所得とはみなされません。
医療機関を受診する時に受付窓口で保険証を提示すると、治療費の70%を国民健康保険制度が負担し、被保険者は残りの30%を支払います。病院に行くときは、「国民健康保険証」を忘れずに持っていってください。
就職して別の保険に加入するときや帰国するときには市(区)役所で忘れずに脱退手続きをしてください。
(基本補償)学生教育研究災害傷害保険(学研災)
この保険は、"国内外で所定の教育研究活動中に加入者本人が被った傷害"に対し、医療保険金、入院加算金、後遺障害保険金、死亡保険金が支払われるものです。
本学では、学生の福利厚生の向上を図るために、大学が保険料を負担し、全学生が当保険の「Aタイプ〔[死亡保険金最高2,000万円〕」・「通学中等傷害危険担保特約」に一括加入しています。(各自で加入手続を行う必要はありません。)
(2024年度中国語版パンフレット)
(上乗せ補償)学研災 付帯賠償責任保険(付帯賠責)
この保険は、学研災では補償されない他人等への賠償責任や物損事故に対して保険金を支払う保険となっています。教育研究活動中に、他人にケガをさせたり、高額な実験機器の損壊など、損害賠償が発生した場合に保険金が支払われます。2種類のコースがあり、加入は任意で新領域創成科学研究科教務チームで加入することができます。
Aコース: 学生教育研究賠償責任保険(略称「学研賠」、年間保険料340円程度)
Bコース: インターンシップ・教職資格活動等賠償責任保険(略称「インターン賠」、年度保険料210円程度)
(上乗せ補償)外国人留学生向け学研災付帯学生生活総合保険(インバウンド付帯学総)
東京大学にこれから入学する、もしくは現在在籍している方は「インバウンド付帯学総」に加入する資格があります。この保険は学研災の加入を前提とした保険で、A、B、Cの3つの加入タイプがあります。(AタイプとBタイプは国民健康保険者のみが加入できます。)学研災では補償されない、私生活を含む 24 時間、365 日のケガや病気、賠償事故など、学生生活全般を補償するものです。
インバウンド付帯学総は、留学期間に合わせて月単位で加入することができます。いざというときに皆さんの負担が軽減されるよう「インバウンド付帯学総」の加入を強くお勧めします。
(補償内容)
- 個人賠償責任※ - 国内外で学生本人が偶然な事故により他人にケガをさせたり、他人の物を壊してしまった場合など、法律上の損害賠償責任を負った際に、保険金が支払われます。
- 死亡・後遺障害 - 国内外で学生本人が急激かつ偶然な外来の事故で死亡または後遺障害を被った場合に保険金が支払われます。
- 治療費用 - 国内で学生本人がケガや病気で1日以上通院または入院した場合、治療費の30%(国民健康保険ではカバーされない自己負担分)の保険金が支払われます。
- 救援者費用等 - 国内外で学生本人がケガや病気で3日以上入院したり、搭乗している航空機や船舶が遭難した場合等に、交通費や宿泊料、詮索救助費用等が支払われます。
※示談交渉サービス付き - 学生が事故に関わる損害請求を受けたときに、学生本人の同意を得れば、折衝、示談、調停もしくは訴訟に関わる手続きを保険会社が行います。
詳しい補償内容や保険料については、以下のパンフレットをご確認ください。パンフレットは新領域創成科学研究科教務チームの窓口でも配布しています。
(2024年度英語版パンフレット)
(2024年度中国語版パンフレット)
加入申し込み(スマートフォンや PC からの Web 加入)
https://tokiomarine.secure.force.com/futaigakuso?id=001720y
医療支援サービス:IMAS(Inbound Medical Assistance Service)
東京大学では、東京大学で受け入れている留学生の皆さんを対象として、IMAS(Inbound Medical Assistance Service)を専門業者に委託し、用意しています。IMASとはケガや病気になったときの医療支援サービスで、24 時間・365 日、英語・中国語・日本語での対応が可能です。いずれも加入者が日本国内にいる場合に提供されます。本学のほとんどの留学生が無料でサービスを利用できますが、利用には申し込みが必要です。いざという時のため、申し込みを強くお勧めします。
サービス内容
<電話によるサービス>
- 24時間365日電話相談
- 適切な病院の紹介
- 病院や移動中の電話を利用した通訳
- 必要な場合の大学への連絡
<緊急時費用の保険>
- 日本国内あるいは母国等の医療機関への移送(転院)手配
- 母国家族への連絡及び各種支援 等
※医療保険ではないため、病気・怪我の治療には使用できません。国民健康保険などの適切な保険に必ず別途加入してください。
サービスの詳細・申込みフォームはこちら
車や自転車に乗るときの保険
車やオートバイを運転する人は、必ず自動車保険に加入してください。もし事故を起こしてしまった場合、被害者に支払う金額がとても高いからです。夏休みなどに、旅行で車を運転する場合も、必ず保険に加入してください。一般の損害保険会社で加入することができます。多くの留学生は移動手段として自転車を使っています。日常生活の中で、自転車に乗っていて、ほかの人にぶつかり、けがをさせてしまった場合などの保険については、上記のインバウンド付帯学総に加入していれば補償が受けられます。自転車を使う予定の方は、個別に自転車保険に加入するよりも、インバウンド付帯学総への加入をお勧めします。
日本国内の民間医療保険商品
日本の滞在期間が3か月以内で国民健康保険やインバウンド付帯学総に加入できないにも関わらず、海外旅行保険に加入せず渡日してしまった場合、日本の生命保険会社が販売する外国籍の方向けの医療・生命保険商品に加入する方もいるようです。大学がある特定の会社を推薦することはありませんので、ご自身で調べたうえで加入することになります。説明や契約文書は日本語となる場合が多く、保険会社選びにも時間がかかりますので、渡日前に海外旅行保険に加入することを徹底してください。
研究者の保険について
共済保険組合
健康保険事業と年金事業の2つが合わさったもので、本学に勤務する教職員が加入できます。加入手続きは本学の担当窓口で行います。国民健康保険制度と同じく、医療機関で診療を受けた場合、受付窓口で共済組合証を提示すれば、あなたが支払う金額は総治療費の30%です。雇用契約が終了したときは、大学の担当窓口で脱会手続きをしてください。
パンフレットはこちら