2020年度第6回学融合セミナー
- 講義:
- 2020年12月16日 16:50~18:20
- 場所:
- オンラインにて開催
核融合研究のイントロ
篠原 孝司 教授
2020年代、核融合研究にとって2つのマイルストーンがある。'25年国際協力の装置ITERが人類初の燃焼プラズマの運転を目指してフランスにて運転を開始する。これに先立ち世界で第二に大きい(現在世界最大の)装置JT-60SAが、ITERのサテライト装置として茨城県の量研機構にて間もなく運転を開始する。一方で核融合研究の認知度は本学でもあまり高くないように思う。そこで本分野の認知度を上げ学融合のきっかけとなることを期待して、初学者向けの核融合研究の紹介を行う。
インセクトデザイン ~遺伝子組換えカイコによる蚕業革命の取り組み~
瀬筒 秀樹 客員教授
我々は、カイコ等昆虫の能力・多様性を分子レベルで理解し、昆虫を自在に改変する「インセクトデザイン」を可能にし、デザインした昆虫を研究や産業に利用することを目指している。現在のテーマとしては、遺伝子組換えカイコによる新シルク素材や医薬品の開発による新産業創出=「蚕業革命」を目指した研究等を進めている。本講義では、低環境負荷で地球上最も家畜化された生物である「カイコ」を活用した研究について紹介する。
骨から探る哺乳類の進化
久保 麦野 講師
動物の骨には、その種がたどってきた歴史、特に環境への応答が反映されている。本講義では、日本全国に生息しているニホンジカ種内に見られる地理的変異から、環境‐生態‐形態の関連性を解き明かし、ニホンジカがたどってきた進化の歴史について紹介する。また化石となった骨は、過去の進化を明らかにするための物的証拠でもある。現生種で明らかになった生態と形態の関係を化石に当てはめることで、絶滅種の生態や進化を推定する古生物学的研究についても紹介したい。