核融合研究教育プログラム科目
update 2024/04/11
核融合に特化した実践的教育
科目名(単位) | 担当教員 | 紹介 |
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Fusion Science Special Lecture Ⅰ(1), Ⅱ(1) | 外国人客員 | プラズマや核融合に関するトピックスを取り上げ、その学術的基礎から最先端の研究までを網羅する特別講義を行う。スケジュールは、各学期の開始時に発表する。本講義は外国人客員教員あるいは本学教員が英語で行う。 |
核融合学際学(2) | 江尻他 | 核融合エネルギーを実現するためには、様々な学問領域の知見を得るだけでなく、種々の技術開発が必要である。一方、核融合の研究開発で得られた知見・技術は様々な領域へ適用、応用が可能であり、このような学際性は、核融合の特徴である。本授業では、核融合の様々な側面を紹介するとともに、種々の分野への広がりを紹介する。 |
核融合実践演習(2) | 全教員 | 核融合研究教育プログラムに所属する研究室の中の3つの研究室で、実験および理論・数値計算を通して、核融合やプラズマに関する実践的な演習を行う。演習内容等については、初回のガイダンスで説明する。演習のスケジュールは、各研究室の指導担当者と受講者の間で個別に調整する。 |
核融合エネルギー工学(2) | 山田 | 核融合エネルギーによる発電を目指す核融合炉にあっては1億度を超える核燃焼プラズマを安定に維持し、発生する中性子を利用する極限状態での工学技術が必要である。この核融合エネルギーにかかわる工学の基礎と、発電実証を目的とした原型炉に向けた工学研究の現状と展望までを総括する。これにより、超高温プラズマを炉心とする核融合炉に関する、特に工学に関わる学理と研究開発の全体像を把握することを目標とする。 |
先進プラズマ理工学(2) | 井 | 国際協力による核融合実験炉ITERの建設が開始され、核融合開発研究は新たな局面を迎えつつある。本講義では、核融合研究の中でも特に磁場閉じ込め方式での炉心プラズマ物理について、最先端の研究に結びつくような先進的な内容について解説・議論を行うことを目的としている。主として、ITERを見据えたトカマク方式において現在課題となっているプラズマ物理事象を取り上げ、その基礎物理から研究の現状までを詳述する。 |
非線形科学(2) | 山田、齋藤、洲鎌、田辺 | 自然科学、社会科学、工学の様々な分野で「非線形」というキーワードが用いられている。線形モデルでは表現できない現象が「線形からのずれ」というネガティブな捉えられ方から脱皮して、現象の本質を表す主役として注目されている。本講義では、非線形現象のモデル化・定式化のプロセスと、モデルを解析する手法の両方について、比較的簡単な例を用いながら議論し、非線形科学の一般的な理論の枠組みを解説する。 |
プラズマ応用工学(2) | 小野靖、小野亮、宇佐見、田辺 | プラズマの基礎について学んだ後、高温から低温、低圧力から高圧力の様々なプラズマ応用技術を紹介し、プラズマ発生の基礎から応用技術の最先端までを学ぶ。 |
プラズマ核融合学(2) | 山田、小林 | 核融合はほぼ無尽蔵の未来のエネルギー源として世界中で研究が行われている。核融合炉の実現のためにはプラズマ理工学の未解決問題の解明が必要であり、さらに数十年の研究を必要としている。本講義では、これまでの開発研究途上で見られた諸問題に対する理論的・実験的アプローチについて、高温プラズマの磁気閉じ込め方式を中心に詳述する。また、プラズマパラメータの測定方法についても解説する。さらに、磁気閉じ込め型以外の革新的な核融合装置についても言及する。 |
プラズマ基礎論(2) | 齋藤、洲鎌、西浦 | プラズマは、固体、液体、気体に続く物質の第4状態であり、核融合エネルギーや、半導体の超微細プロセッシングなど、21世紀の新たな科学技術に応用される。また、理学としてのプラズマ物理は、宇宙、天体、地球高層の物理現象を解明する鍵となる。プラズマ中では、電子と原子核(あるいはイオン)の集団が複雑に運動し、様々な構造が生み出される。本講義は、プラズマとは何か、どのような振舞いをするのか、どのように応用されるにかについて解説し、プラズマ物理の基礎を修得させることを目的とする。 |
プラズマ計測法(2) | 小野靖、小野亮、宇佐見、田辺 | プラズマの特性を決定する電子密度、電子温度、イオン密度、中性粒子密度、ガス温度など様々なパラメータの測定法を学ぶ。 |
プラズマ波動物理学(2) | 辻井 | プラズマ波動物理学はプラズマの微小な揺動を扱う理論体系である。衝突の少ない高温プラズマにおいては、プラズマの応答の非局所性により、波動の無衝突減衰など様々な興味深い現象があらわれる。本講義では、核融合プラズマの波動による制御を念頭におきつつ、波動物理の基礎から非一様プラズマにおける波動・粒子相互作用までを学ぶ。 |
プラズマ物理学入門(2) | 篠原 |
プラズマ物理の基礎を学ぶ。核融合プラズマ研究分野を意識して行う。 Learn basic ideas of plasma physics, which can help your startup of nuclear fusion research. |
乱流輸送物理学(2) | 江尻 | 流体力学、ブラウン運動の復習をした後に、乱流(主として一様等方乱流)の取り扱い方を学ぶ。乱流とは、さまざまのスケールの乱れ(揺らぎ)が系全体を特徴づけている状態を表し、輸送とは、熱、物質、運動量の移動を言う。静的な輸送では、マクロで静的な勾配が存在して、勾配に比例した輸送が起きるが、乱流輸送では、さまざまなスケールの流体の運動が存在し、状態を単純に記述することはできない。 |
境界領域プラズマ理工学 | 梶田 | 核融合エネルギーの実用化に向けて、1億度の高温プラズマを核融合炉内で制御する必要があるが、その際に高温プラズマと炉壁の間の境界プラズマの制御と、プラズマ-材料相互作用の理解は重要な課題となっている。本講義では、境界領域プラズマに関わる現象を理解するために、プラズマの基礎、境界プラズマにおける原子分子過程(電離、励起、再結合等)、ダイバータ、プラズマ材料との相互作用に関しての詳述し、議論することを目的とする。プラズマ材料相互作用においては、特にシースに関しての基礎、粒子との相互作用、スパッタリングやアーキング現象などを取り上げる。また、境界プラズマや材料のキャラクタリゼーションのための各種計測法を紹介する。 |